すべては一杯のコーヒーから 松田公太

すべては一杯のコーヒーから

すべては一杯のコーヒーから

ベンチャービジネスの新星、タリーズコーヒージャパンの痛快サクセスストーリー! 若き起業家がコーヒーに注いだ夢と情熱とは? 金なし、コネなしの普通のサラリーマンだった男が、巨人スターバックスに挑戦した軌跡。
 多くの若い企業家が、夢と情熱さえあればなんだってできるといったことをいう。しかしどこかでそういった人たちは自分とは持っている才能が全く違うんだろうなと感じてしまう。しかし本書は、そういった悲観的な気持ちを抱かせない、情熱に溢れた本である。1号店を開く際に7000万円の借用書に印鑑を押すシーンがある。印鑑を押す前に彼はコンビニを回り、アルバイトの募集状況を時給を調べ、1日に15時間働けば、30年程度で借金の返済ができることを確認した。しかし彼がもし失敗してもコンビニで30年バイトはしないだろう。また新しい挑戦をするに違いない。そういうパッションを彼からは感じた。セネガルでは中国人、帰国してアフリカ人、アメリカから帰国した後はアメリカ人と呼ばれ、日本人のアイデンティティについて考えるくだりが面白い。

「私は特別な経験をしたこともないし、何をしていいのかもわからない」と言う人がいる。果たして本当にそうだろうか。まずは、自分が使命を持って生まれてきたことを信じよう。そして、それを探す努力をしてみよう。今まで自分が歩んできた人生を、足元からじっくり見直してみれば、きっとどこかにヒントが隠されているはずである。

★★★★