ゴーマニズム宣言スペシャル 脱正義論 小林よしのり
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1996/08
- メディア: 単行本
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弁護士や学生たちと話してるときもそうだった。彼らは一様に「同情はいけない」という。「自分の怒りとして考えるべきと「共感」をもとめる。
なんで薬害を「自分の怒りとして」考えられるの? そりゃウソだ! 「同情」でも「友情」でもいいの!「同情」なら情のつながりでいいが…「共感」はイデオロギーに転化する。原発も共感、広島も共感、沖縄も共感、従軍慰安婦も共感…弱者全部に共感…いいかげんにしろって!それはサヨクでありオウムだ!
わしは龍平が「同情」「友情」がイヤで「共感」のイデオロギーにハマる気持ちがわかる。それはプライドが高いからだ。「同情」「友情」だと自分を支援してくれてる若者たちに恩を感じねばならない。しかし「共感」するべきで「自分たちの問題として」若者が集まってきて当然と思えば恩の重さを感じなくてすむ。だから龍平はみんなの前で「ありがとう」と言わない。「がんばりましょう」という。
支える会は完全に組織体系化され、「個の連帯」ではなく、「団体」として組み入れられる。弁護士や医者らプロフェッショナルがその力及ばずうまくいかないときは、支える会が厚生省前へ押しかけて、団体の力で要求を通そうとした。プロの技術より団体のオドシで要求を通して国を変えようとしている!和解までは「世論盛り上げ」のために運動が必要だった。「世論」がなくては政治家が動かぬからだ。しかし誰もが薬害エイズのことを知っている。世論はず出にある。あとはプロの仕事のはずだ。だらしなくプロにできぬことをアマチュアにやらせようって魂胆のやつが弁護士あたりにいるのだろう。弁護士は最初から政治をやっていたのだ。学生たちを支配下に置くべく… それにまんまとはめられてプライドの高さゆえに「自分で考えてやっている」と思い込んで動く脆弱な自我の若者たちよ嗚呼…
さらばだ、個の連帯は幻想だった。若者よ、日常へ復帰しろ!
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