バカの壁 養老孟司

バカの壁 (新潮新書)

バカの壁 (新潮新書)

イタズラ小僧と父親、イスラム原理主義者と米国、若者と老人は、なぜ互いに話が通じないのか。そこに「バカの壁」が立ちはだかっているからである。いつの間にか私たちは様々な「壁」に囲まれている。それを知ることで気が楽になる。世界の見方が分かってくる。人生でぶつかる諸問題について、「共同体」「無意識」「身体」「個性」「脳」など、多様な角度から考えるためのヒントを提示する。

脳内の一次方程式y=ax(x:入力 y:出力 a:現実の重み)を使えばなんでも説明できる気がしてくる。この式を<バカの壁の公式>として心に留めておこう。
a=無限大は原理主義者ってのが笑えないけど笑えた。

第三章「個性を伸ばせ」という欺瞞より
今の若い人を見ていて、つくづく可哀相だなと思うのは、がんじがらめの「共通了解」を求められつつも、意味不明の「個性」を求められるという矛盾した境遇にあるところです。口では「個性を発揮しろ」と言われる。どうすりゃいいんだ、と思うのも無理のない話。要するに「求められる個性」を発揮しろと言う矛盾した要求がだされているのです。

僕たちの気もちを見事に代弁してくれている。僕らは共通了解のなかでもがくしかないのだろうか。

★★★