渋谷ルシファー 花村萬月
- 作者: 花村萬月
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/03/18
- メディア: 文庫
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
そんな一夜、映子18歳が突如、訪れたことから、桜町みずから封印していた苦い出来事が強烈によみがえる。
迷路にはまりこんで青春、凄絶で不器用な愛と別れ―。
さまざまな恋のありさまを、ブルースの旋律にのせて描く。
今はまっている花村萬月。読んだ後に「ゴッド・ブレイス物語」の続編ということに気がついた。前作読んでないのに!
僕は萬月のドギツイ暴力と性描写の生々しさに魅入られていたんだけど、この作品は今まで読んだ萬月作品とはちょっと違っていた。作中の朝子のボーカルが象徴するような、扇情的でありながら清潔感がある作品だった。さまざまな恋のありさまが描かれているんだけど、ムショから出てくるヤクザを待っている18の女の話なんて壮絶すぎる。これがブルースかっ!ちなみに僕が感情移入できたのは健(14歳)のとどかぬ愛。幼い!?
♪ME AND THE DEVIL(俺と悪魔のブルース)
朝はやく
おまえがドアをノックした
俺は囁く
「よォ悪魔、出かける時間だ」
俺は悪魔とならんで歩く
俺は悪魔と一緒に歩く
俺の女
気がすむまで殴りたいあたしの軀
ハイウェイのちかくに埋めて
どこだっていいんだけど
やっぱりハイウェイのちかくがいいわ
そうすれば乗れるもの
あたしの悪霊が
グレイハウンド・バスに乗れる
「ねえ、桜町。女は悪魔だとおもう?」
「ああ。――天使だったらたぶん俺は好きにならないさ」
かっこいいー 女のビジュアルは「悪霊」って言葉のせいで空条徐倫が思い浮かびました。
★★★