マイブームの魂 みうらじゅん
マイブームの生みの親、みうらじゅん。世間の流行には背を向けて、みうらじゅんが放つ偏愛のエッセイ集、第1弾。テーマは「奥村チヨ」「女装」「ブロンソン」「ボブ・ディラン」と彼ならでは。
「マイブーム」とは世の中の流行とは無関係に、自分だけの「ブーム(流行)」を持とうという生き方。その瞬間に興味を持ったものすらその時点で「ブーム」になるのだから、“流行”という概念自体をぶち壊しにする世紀末的言葉である。
97年に作られたこの「マイブーム」という言葉。しかし現在その使われ方は彼の提唱する本来のマイブームとは少し違う。
「最近の私のマイブームはぁ、ネイルアートぉ?、あとアロマテラピーとかぁ」
というように、大衆的でおしゃれ臭がぷんぷんする意味のない会話に用いられる。そこにはもはや、みうらじゅんの放つアンダーグラウンドな匂いは感じられない。「マイブーム」という言葉は流行に終らず、立派に一人歩きしている。
みうら氏曰く、
ただ単に自分一人で楽しむだけではなく、ことあるごとに世の人々に(ま、友人とか家族とか近所の人とかにね)ブームだということをアピールするのが真のマイブーマーであるっ!
「自分一人で楽しむだけではなく」というのが重要だ。以前出演した爆笑問題のススメで彼はこう言っていた。
(マイブームは?と聞かれたら)
天狗!とかぱっと言わないと
僕は笑い転げた。
★★