えせ田舎暮らし 島田紳助

えせ田舎暮らし

えせ田舎暮らし

「感動にはプロセスがいるんや」 夢を求める男のドラマ。人と自然、人と動物、人と人…出会いの中から何かが生まれる。紳助流田舎暮らしを紹介する。
 最も尊敬している人物の一人が島田紳助だ。尊敬するのは彼のずば抜けた笑いの才能、政治・経済などの豊富な知識、そして熱い心意気。そのすべてが凝縮されたのが参院選での涙の応援演説だった。本当に日本のことを憂い、自分以外の誰かのために何かをやるという熱い気もちがあの演説には溢れていた。
 この本には“感動したがり”島田紳助の感動溢れる日常がつまっていた。その生活は子供の気もちを持ったままであり、なおかつ家族を想う父親の気もちも包含するものだった。僕は彼の生き方が間違いなくカッコイイと言いきれる。
 はやく仕事に復帰してもらいたい。僕には島田紳助から学ばなければならないことがまだたくさんあるのだから。
★★★
島田紳助、おだち源幸応援演説

「いま、この場所にいることが不思議でなりません。15年間報道番組に関わってきた。その番組と関係者の皆さんに、本当に勉強させてもらった。今度は自分がこの大阪に恩返しをする番やと思っている。自分の目・庶民の目で見て“いいヤツ・悪いヤツ・必要な政治家・必要でない政治家”が自分でもはっきりと判るようになってきた。そして、報道番組を辞めるときに、大阪で育ててもらった恩返しをしなあかん、そう強く思ったんです。いま、仕事はほとんど東京でしてます。東京で住んだほうがラクやのに、なんで大阪に住んでるのか?大阪がめっちゃ好きなんです。そんな大阪の人たちに育ててもらった恩返しは、“この人は国会に行ってもいいよ”、“この人は国会に行ったらあかんよ”と庶民の目で判断することや、と思ったんです。
 はっきり言って民主党の支持者じゃないし、民主党はダメやと思ってる。今の日本の社会を作ったのは自民党やけど、その代わり借金もたくさん作った。だから自民党だけじゃダメ!民主党がもっと成長して、レベルの高い2大政党とならない限り、国民は馬鹿にされたままだと思ってる。
 今回の選挙でも有名人を立候補させたら、投票してもらえる、そんな風にしか国民のことを考えていない。国民がバカにされているんですよ!もっと民主党ががんばっていかないと、この国はもっとダメになっていく、そう15年間報道番組で勉強させてもらって、感じています。
 2年前からおだちさんのことは知っていたけど、“応援して欲しい”と周囲の人に言われても、よく知らん人は応援できひん、そう思って何度も会って話をして、こっそり集会も聞きにいきました。名誉欲で国会議員になろうとしてないか、死に物狂いで闘おうとしてるか、リスクを背負ってるか、それを自分なりにチェックしました。この人で大丈夫です!皆さんにお願いではなく、この人を国会へ行かしてやってください。
 この大阪選挙区は激戦です。先週までは永田町に行けそうやった。でも今週、状況が変わって“西中島南方”あたりで止まってます。もうちょっとなんです。だから、今日集まってくれた皆さんでなんとか応援してやろう、という気持ちになって欲しいと思って僕はやってきました。
 いま、この国は本当にピンチです。今の日本の税収が約50兆円くらい。それを一家の主であるお父ちゃんの年収500万円としよう。年収500万円やのに2008年には借金が1億円ある。そんな家、普通やったら破産です。破産したらどうなるかわからへん。この国が破産したら、もっとわからへん。今、年金問題民主党自民党がもめてます。あれすらも僕にしたら国民をだましてると思う。年金が払われるかどうかより、このままやったらこの国自体が破綻してしまいます。払えるわけがない。一秒間に借金が増えているこの現状をとめることはできません。でもゆっくりさせる、スピードを遅らせることを今すぐしないとダメなんです。本当に国民が政治を思い、もっと意識をして欲しい。“こんな政治家いらん”っていう人おるけど、その政治家を選んだのは国民なんです。それは国民の意識が低いということなんです。
 地域のことばっかり考える国会議員より、キツイことを言う、イタイことを言う国会議員を1回だけ選んでください。そして衆議院1回・参議院2回やる。そしたら10年でこの国の国会議員のレベルはあがって、全てが解決する方向に向かうんです。でも今のままいけば、なにも変わらない。このままいけば、この国は滅びます。でもいつのときも国が滅ぶときはヒーローが現れるんです。今、この国は経済という大きなピンチを迎えています。このピンチを救うヒーローが現れないと、ダメです。いまの政治家の中にはそのヒーローはいないと僕はそんな気がします。だからいまひとりでも新しいやる気のある、育ててくれるヒーローをつくらないとあかん、そう思ってます。そのヒーローがおだちさんかどうかわからない。でもおだちさんであって欲しい、少なくとも僕はおだちさんならやってくれる、そう約束しました。
 僕は、こんなとこでしゃべったら仕事上、マイナス以外ない。プラスにはならない。でもこの国への恩返し、それを考えたらどうでもいいんです。よく“知事選挙に出るんやないか”とか“国会議員選挙に出るんやないか”と言われます。ここで宣言します。僕は死んでも出ません。生涯、国会議員になることはありません。高度経済成長期なら、誰が国会議員になってもかまいません。でも、いまこの国がピンチな時に、たったひとりでも無駄な国会議員が国会へ行ったら困るんです。だから、絶対にありえない。国会議員も市会議員も知事も市長も僕にはありえません。約束します。そして、おだちさんが国会へ行けなかったら、僕は一切政治を語りません。僕の目が節穴だった、支持を得られなかったとしたら、僕の責任です。
 僕は民主党の支持者でもどこの支持者でもありません。今の小泉総理とは能勢のダイオキシン問題等で仲良くしてもらったから、僕がしてることを知ったらショックかもしれません。あの人は、総理大臣としてはどうかわかりませんが個人としてはいい男やと思います。総理になったら国会議員に立候補します、と言いました。そしたら本当に総理大臣になってしまった。どうしようと思ったら、周りの人たちは“立候補したら”と言って来たので、小泉総理に聞きました。“僕が出たほうが小泉総理は一議席でも増えて助かるんですか?”と。そしたら“いや、出なくていいよ。タレントのまま自分の言いたいことを伝えてください”と言いました。そういう意味ではあの人も信用できる人とは思うけど、その周りにおる人が信用できひん人が多すぎる。自民党がもっと若返って、民主党がもっと成熟した党にならないとあかん、そう思います。
 今日、家に帰ったら“今日難波で紳助がこんなこと言うとったよ”と話して下さい。名前が覚えにくいけど、7月11日にはくれぐれも間違えて僕の名前を書かないように。まあ、200票くらいははいってるかな。」