全共闘 茜三郎 柴田弘美

全共闘 らんぷの本

全共闘 らんぷの本

反戦運動がもりあがる今こそ、全共闘の時代を思い起こそう。初めて公開される、今までになかった写真の数々とともによみがえるあの時代の青春の輝き。類例ない全共闘の本、登場! あの世代の人、そして若者たちに。
 太平洋戦争に敗れた日本は、それまでのわが国に存在しなかった“民主主義”が、突然空から降ってきたようなものだった。自分たちが間接的にでも政治に関与できることを知った。また、それまでの価値観が総崩れになったこの一時期、青空天井のように突きぬけとなった思想観は、右からも左からも独立した思想を所有しうる時間を短いながらも獲得することができた。敗戦の過程を通過した、インテリや文学者のアイデンティティーの崩壊と、それでもなお固執する思想の共同存在はそれを物語っているかに見える。そしてこのことが、1960年の反安保闘争よりも、かえって70年闘争の基底の一部を成しているかに感じられる。

オヤジ・サラリーマンの考察
現在、マーケティングとか、製販連携とか言うことがしきりに言われ、実践されている。トヨタ・システム―ジャスト・イン・タイムという生産管理方式が脚光を浴びたりもしている。これは、現代では個別資本は自分の都合だけでモノを作って売ってたんでは生き延びられなくなっている。と言うことを示している。顧客の、つまり消費者大衆の、無意識まで含めた意思を把握し、それに見合ったものを、必要なだけ作る、というやり方をしないと。どんな大企業も滅びてしまう。これは裏を返せば、資本のあくなき増殖衝動を、消費者―一般大衆の意識と無意識とが、コントロールする状況だといっていい。吉本隆明のいう、「消費税の導入によって消費者―一般大衆が国家―権力をコントロールする力を無意識ながら手に入れた」と同じことである。

★★