見仏記 いとうせいこう みうらじゅん

見仏記 (角川文庫)

見仏記 (角川文庫)

小学生から詳細なスクラップブックを作っているほど仏像に魅せられてしまったみうらじゅんが、仏友・いとうせいこうを巻き込んだ、抱腹絶倒の見仏珍道中記。みやげ物にまで目配りを怠らない充実の一冊。

 やっぱ、みやげ物屋は面白いねえ。
サンリオ菌が混じってるんだよ、そのサブカルチャーみやげに。

吉祥天の前のお供え、見た?かわきものがあったよ。やっぱ、みんな勘違いしちゃうんだね。バーのママと。いとうさん、ママはいくつだと思う?(40は超えてるね。岩下志麻的な色気だよ。)ママはそんな年増じゃないよ。28くらいでしょう。若いのにやり手なんだよ、あのママは。若くて…若くて色っぽいんだよ。あーあ、ママはまた明日からお休みか。しばらくまた、お店に出てこないんだよね。それでも人気者なんだから、凄いよ。いとうさん、ママはねえ、ママはハワイで休暇を過ごすんだよ。

 仏を偏愛しながらも俗物化してしまうところに、みうらじゅんのマイブーマー第一人者の手腕を垣間見る1冊。いとうせいこうの抽象的、構造的な分析視点とのあまりの落差に笑いが増幅する。
★★★