猫を背負って町を出ろ 大槻ケンヂ

猫を背負って町を出ろ! (角川文庫)

猫を背負って町を出ろ! (角川文庫)

「ヘンテコな位置から物事を見ると、表層のウラにあるキテレツなものが見えてくる」と、自ら拠って立つところを明確に表明するオーケン。そのヘンテコ目で、UFOや宇宙人、超能力など世間を跋扈するアヤシイものたちを、笑いをとるだけかと油断させつつ、その本質に鋭く突っ込む、息を呑むような鮮やかな技。オーケンの才気がそこかしこに満ち溢れ、読む人すべての世界観に激震を呼び起こす驚愕のエッセイ。

 人は不思議な現象に対し「ある?ない?」の二元論で接し、「ない」の解釈が有力になると途端に興味をなくしてしまう。しかし本当は「ない」とわかった後にもさらなる興味や疑問が生じてるものなのだ。

 このことがわかれば世の中に面白いと感じられるものをたくさん見つけられる。宇宙人、超能力、プロレス、UMA……いわゆる“キャンプ”な姿勢である。
★★★