空中ブランコ 奥田英朗

空中ブランコ

空中ブランコ

人間不信のサーカス団員、尖端恐怖症のやくざ、ノーコン病のプロ野球選手。困り果てた末に病院を訪ねてみれば…。「イン・ザ・プール」から2年、トンデモ精神科医・伊良部が再び暴れ出す!
 「ブランケット症候群」スヌーピーのいつもブランケットを持った男の子ライナスから来た言葉。それを持っていないと不安になる症状。現代人はみな、携帯を必要とするブランケット症候群だ。
 「性格はその人の既得権」あいつはそういう性格だからしょうがない。そういうふうに考えられれば人間関係で楽になることもあるだろう。
 深く考えすぎるのも考え物。この本に出てくる登場人物たちのように、解決の糸口は意外となんでもないところから見つかるものかもしれない。
 前作「インザプール」は“読むサプリメント”といった感じで読んで笑ってスッキリできる作品だったが、免疫ができてしまったのか今作はちょっと食傷気味。
★★★