問題な日本語 北原保雄

問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?

問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?

気になる日本語はどうしてそういう表現になったのか、誤用であっても、その誤用が生まれてくる論理は何なのか?を究明する本である。
「全然いい」
 下人は初めて明白に、この老婆の生死が、全然自分の意志に支配されていると云う事を意識した。(芥川・羅生門
 このように否定と呼応する以外に「まったく、すっかり」といった意味でも使われている。
「耳ざわりのよい音楽」
 これは使っていたかも!漢字で書くと“耳障り”。つまり不快な音に対して使う言葉。だけど“耳触り”という意味も定着しつつある。まだ誤法だけど。
「おざなり/なおざり」
いつも間違えるこの二つ。さあどっち?
(  )な謝罪の言葉。
(  )に話し合いをする。
災害対策が(  )にされた。
自分の健康を(  )にする。
お座なり:(いい加減にではあるが)一応物事をする。
なおざり(等閑):無視してほうっておく。
答え:前2つは、おざなり。後ろ2つは、なおざり。
許せない日本語は「よろしかったでしょうか」「私って〜じゃないですか」「こちら〜になります」。
許せるのは「全然いい」「きもい・きしょい・うざい」
 言葉は生きているので、どんどん新しい使い方が出てきて僕的に全然OKです。
★★★