しりとりえっせい 中島らも

しりとりえっせい (講談社文庫)

しりとりえっせい (講談社文庫)

この本を手にとったあなたの目の前には、しりとりから始まる、とんでもない快楽の図がひろがっている。中島らもひさうちみちおの二大奇才がページごとに織りなす、意識が遠のくほどの不思議な世界。全105篇、どこから読んでもやめられない、次の言葉をつい追跡してしまう、目くるめくエッセイ集。

オカルト関係、毒物関係、シモネタ関係と未知なる危険な世界を堪能。しかも爆笑。白雪姫の7つの小さな穴。立ち食いそばの基本コンセプトは「早い、安い、まずい」。この安さとまずさの相剋がおもしろい。アル中になると「小さな大名行列が机の上を進んでくるのが見える」。生体オーラを映すキルリアン写真。ハシシュ、アシシュ、アサシン。アマゾンのカーネロ。女装して編み物をしているところを、軍服姿の男装女性に「お前は編み物が下手だ」としかってもらわないとイかない。良い酒は水に似る。コギト・エルゴ・スム。古代ギリシャでは美の基準として小さくてそのままが望まれ、大きくて露茎であるエジプト人のそれは嘲笑の対象。バックスター効果。尻切れトンボ、マンボウ。ハイエナのメスのペニス。外人の嫌う日本食ナンバーワンは意外にもこんにゃく。中国の薬膳医学「脚が悪い人は足を食え。肝が悪い人は肝を食え」。ミイラは最初、薬として日本に輸入されていた。
★★★★★