挑戦的平和論 上巻 小林よしのり
- 作者: 小林よしのり
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
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『第6章 福岡に玄洋社ありてアジアに臨む』
戦後、GHQの調査分析課長だったハーバート・ノーマンはそう分析した。
玄洋社は西南戦争後に自由民権運動の政治結社として発足。
その後国権主義を経て大アジア主義に転じ、アジアが欧米列強の植民地支配下に置かれていた時代に帝国主義を批判し、韓国・中国・インド・フィリピンなど、様々な国の独立運動に無私の支援を続けた。特に近代の中国を作るのに、最大の支援をしたのは、この玄洋社であったという。
玄洋社の頭山満が敬愛した西郷隆盛の言葉に感動したのでここに引用しておく。
文明とは道義があまねく通っていることを称える言葉であり、宮廷の荘厳さ、衣服の美麗さ、外観の浮ついた華やかさを言うものではない。
西洋は文明ではなく、野蛮だと言う西郷。
本当に西洋画文明ならば、未開の国に対しては慈愛を根本とし、懇々と諭して開化に導くべきものを、そうではなく、未開蒙昧の国に対するほど、むごく残忍なことをして己の利益を図るのは野蛮じゃ。
あまりにも純真な大アジア主義を持って「野蛮な」西洋に対抗するこの理想を小林よしのりは「アジアの純真」と呼んだ。侵略の歴史として残された大東亜戦争の陰にこのような事実が封印されている。靖国問題もそうだが、一部は切り取られ、一部は塗り替えられるような「つぎはぎ」の歴史認識が中国・韓国の反日ナショナリズムを一層煽ってしまっている。中国・韓国、そして「戦争に大義も正義も要らない、国益だけだ!」と開き直った新米ポチたちは今こそ純真な道義を通し、新たな文明開化をしなければならないことに気づくべきだ。
★★★★