とんまつりJAPAN みうらじゅん

とんまつりJAPAN

とんまつりJAPAN

日本には不思議なまつりがある! 日本初のとんまつり評論家みうらじゅんが、福岡県の尻振り祭り他に東奔西走、無くすには惜しいお祭りを実況レポート。これこそ、21世紀のディスカバージャパンだ!

 最高なのは奈良県の「おんだ祭り」だ。リアルな“ちんちん鈴”や飲み口にちんちんが付いた“女夫(めおと)盃”といった陽気な性グッズが会場にはいやげ物として売られていた。そして社では天狗面をつけた男とお多福面をつけた女(中は男)が白昼堂々、種付け行為を行うのだ。しこたま腰を振った後、天狗は立ち上がり懐からなにやら紙を取り出した。そして己の竹筒をキレイに拭き、まだ余韻が残っている様子のお多福の股間にも紙をあてがった。うーん…リアル過ぎてシャレにならんっ!!
 二人は仲良くその、あの、要するに拭き終わった後の紙を手で丸め、何と!観客めがけて投げつけてきたではないか!!(拭くの紙→福の神、とかけているらしい)ハッキリ言って、そんなことをするカップルは無軌道過ぎる。いや、もーどーかしてるとしか言い様がない!!
 観客はワーという奇声を発し、その、あのようするに拭き終わった紙を奪うように取り合っている。こっちサイドも、もー!どーかしてるっ!!
 みうらじゅんはこの行為を“パンク行為”と呼んだが、まさにこれはロッカーとオーディエンスの一体となったライブである。どーかしてるよと、普通なら呆れるところだろうが、この本を読んでいると不思議なことにどーかしてるよ!という感覚に翻弄されたくなってしまう。
 こんなとんまつりが21世紀の日本のどこかで開かれていると思うと、日本もまだまだ捨てたもんじゃない。最後に愛知県の田県祭りのシーンを見ながらお別れだ。

 道路わきには見物客がビッシリ。立ち並ぶマンションの住民も窓から体を乗り出している。
 その時!かさとかさの間から薄オレンジ色のどう見ても、どう弁解しても始まらない巨大なオチンチンがヌーと現れた。
 デカイにもほどがある!先端は雨に濡れてテラテラ光り、もう言い逃れ出来ないヒワイさが、改造車なんて目じゃないレベルで道路のド真ん中を突進してくるではないかっ!

★★★★