出版業界裏口入学 北尾トロとレオナルド調査隊

メッカ神保町で古本屋おやじへの挑戦、国会図書館との上手なつきあい方、サイババ本の検証にインド出張、ひとり旅と読書の関係を探る北海道キャンプ…ひとりの本好きの独断と偏見に満ちた出版関係面白調査。

 『あなたはなぜ、その本を買ったのですか?』という企画が面白かった。本屋で複数の本を買うとき、1冊目は本命で、2冊目以降は“本命がつまらなかったときの押さえ”ではなく、“つまらなくてもあきらめがつく”ものや“好奇心を満たす”ものに手が伸びるとのコト。パソコン関係の資料探しに行ったつもりが、おまけに『NHKスペイン語講座』を買ってしまったり。なぜ急にスペイン語をやろうと思ったのか、自分でも説明がつかないのだ。
 そして本屋での行動は気をつけないといけないことに気付かされた!

 それにつけても書店での人の行動は面白い。書店へは、たいていの人が一人でやってくる。そこではみんな自分の世界に没頭している。我々はかなり大胆に後を付回したけれど、誰も気がつかなかった。
 純文学からヘアヌードへ、健康本から思想・哲学へ、ジャンルを超えて人は動く。書店が智恵を絞って配置したコーナーも、来客の半数にとっては意味を成さない。猫のスプレーじゃないけど。それぞれが自分のテリトリーを持っていて、なんというかムキだしの自分を知らず知らずのうちにさらけ出しているような気配があるのだ。

★★★