文学部唯野教授 筒井康隆

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

文学部唯野教授 (岩波現代文庫―文芸)

我らが若き主人公・唯野仁。彼は早治大学英米文学科の名物教授にして、実は隠れて小説を発表している新進作家、何やら不穏な幕開きである。「大学」と「文学」という二つの制度=権力に挑んだ衝撃の長篇小説。
 印象批評に始まり、ニュー・クリティスズム、ロシア・フォルマリズム現象学、解釈学、受容理論記号論構造主義、そしてポスト構造主義。どの講義部分もおもしろかった。すこしでもこれらの知識があれば、また文学の楽しみ方にも変化をもたらしそうだ。学内政治パートはハチャメチャな白い巨塔ってかんじかな。
★★★