恋はいつも未知なもの 村上龍

恋はいつも未知なもの

恋はいつも未知なもの

恋がどんなものか、あなたにはわからない。赤く目をはらし、眠られぬ夜をおそれ、命を賭けたキスをするようになるまでは。幻のバーにJAZZが流れる神秘と安らぎの恋愛小説集。

「まだ、考えがまとまらないから、うまく言えるかどうかわからないけど、ラブソングってやつについて考えてたんです、甘いラブソングもデビッド・リンチみたいに使うとどんなサウンドイフェクトよりもアブノーマルで怖くなっちゃうわけですよね、すると、これは言うのも恥ずかしくなるくらい当たり前のことなんだけど、変化したのはラブソングじゃなくてボクたちだってことでしょう?ラブソングは、単純なワードをつかる、ボーカルがそのワードにニュアンスと表情と意味を与える、でも聴く人の中にそれに対応するコードがないと、単純なワードなだけにどんなにでも変化する」
 それは、キューピー人形が演出によって怖くなるのと同じだよね、

 ジャズの本当の良さはまだ俺にはわからないね。
★★★