沖で待つ 絲山秋子
- 作者: 絲山秋子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/02/23
- メディア: 単行本
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約束どおり太っちゃんのHDDを壊す私
これは、太っちゃんの棺桶だ。
私は棺桶をこじ開けて、太っちゃんの死を傷つけようとしているのだ。
中には銀色の鏡のような円盤が入っていました。鋭く指すように光を反射する、静まり返った円盤でした。
これが、死なんだ。
と思いました。すべてを拒否するように眩しかったからです。
福岡の街が出てくるととりあえずうれしくなる。太っちゃんは仕事仲間以上の絆を感じてたんじゃないだろうか。それとも社会人になるとそんなのを超えた関係性を築けるようになっていくのかな。
それにしても鍵を渡してHDDを壊してくれって言い合えるような男女の友情ってのはあり得るのか?“同期”という親密感と“同期だから”っていう距離感がそれをなし得るのか?おもしろい。
★★★★